N・T、S・Kに私の住所を勝手に訴える

「おーいS・K!A・Iに所とナンバー授けるといたからな!」
 背面の八王子・高尾フィールドHOMEに向かって、N・Tが声高に叫んでおる。
 あたしは急に小恥ずかしくなった。動画が届いたのか、背面のHOMEの席に腰掛けているとりわけ周りの目を退く格好のS・Kは、人差し指と小指を立てて決めポーズを作っている。洗いざらいと商品の好みそうなB繋がり進路の図書の表紙立案気取りです。それとほぼ一気に反対方向から二つの電車がHOMEに流れ込んでくる。
 家路は入替えの一時以外は、三輩とも車内の各人別々の地でこと切れていた。どなたかしら立ったまま寝ていた時もあったが、長椅子が空くなり他のツーリストとの椅子受けとりレジャーの如く取り合いが始まった。通勤ラッシュの一時ほど熾烈ではないに済ませろ、そこは個々。自らの在処を確保するためには少し売り物を欠くことに躊躇いはない。その部位勝負に負けるたび、キングが在処を勝ち取ったことを誇らしげにほくそ笑んであるような気がしたが、それはそれで倦怠しのぎにはなったような気がする。